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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻10号

2021年10月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

造血器腫瘍におけるFCM検査結果解釈時の注意点—非典型例への対応

著者: 稲葉亨1 松本和道1

所属機関: 1京都府立医科大学附属病院臨床検査部

ページ範囲:P.1182 - P.1186

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はじめに

 フローサイトメトリー(flow cytometry:FCM)は細胞の大きさを反映する前方散乱光(forward scatter:FSC)や内部構造を反映する側方散乱光(side scatter:SSC),さらには細胞膜表面や細胞質内に存在する各種抗原を2〜3時間以内に定量可能であり,造血器腫瘍の表現型診断には不可欠の検査法である.典型的な表現型を示す症例では診断に迷うことは少ないが,CD38,CD45,細胞表面免疫グロブリン(surface membranous immunoglobulin:SmIg)など,主要な疾患の表現型を特徴付ける抗原が非典型的な発現パターンを示した場合には診断を誤る可能性もある.本稿ではこのような非典型例における表現型診断時のポイントを概説する.

参考文献

1)池本敏行,稲葉亨:フローサイトメトリー.日臨検同学院通信 臨時増刊 8:13-16,2018
2)鶴田一人,渕上麻衣,長谷川寛雄,他:フローサイトメトリー検査を用いた造血器腫瘍診断の進歩—手技的観点からゲーティング,抗体パネルについて.日検血会誌 19:413-421,2018
3)西川真子:混合表現型急性白血病(MPAL).矢冨裕,増田亜希子,常名政弘(編):血液形態アトラス.医学書院,pp112-115,2017
4)稲葉亨,松本和道,奥村敬太,他:フローサイトメトリー検査のピットフォールと今後の課題.日検血会誌 21:430-437,2020
5)丸岡隼人,白石祐美,吉岡聡,他:マルチパラメトリックフローサイトメトリーを用いた高感度測定可能残存病変解析.日検血会誌 21:422-429,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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