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過去問deセルフチェック!
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ページ範囲:P.1187 - P.1187
文献購入ページに移動 血小板が生理的止血・病的血栓に関与することは,皆さんご存じかと思います.しかし,血小板は,さらに,血管内皮統合性維持,炎症,免疫,動脈硬化,癌転移など実に多くの生体反応に関与します.この血小板の多機能性には,生理機能を有する多種の物質が活性化血小板から放出されることが関係しているとされています.血小板はα顆粒,濃染顆粒,リソソームの3種類の顆粒成分を有し,活性化に伴い,その顆粒内容物を放出します.濃染顆粒からは,ADP(adenosine diphosphate),ATP(adenosine triphosphate),セロトニンなどの低分子量物質が放出されます.そのなかで,セロトニンは血管作動性物質として血管収縮作用・血小板活性化能を有し,病的血栓形成に関与するとされており(問題1),セロトニンの受容体拮抗薬(サルポグレラート)は抗血栓薬として臨床応用されています.また,α顆粒からは多くの蛋白質・ペプチド性メディエーターが放出されますが,von Willebrand因子もその1つです(問題2).
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