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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻12号

2021年12月発行

ワンポイントアドバイス

凝固促進剤入り採血管使用における注意点

著者: 石田奈美1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.1357 - P.1359

文献概要

はじめに

 生化学・免疫血清検査には,一般的に血液を凝固させ,血球,血小板,凝固因子を除いた血清を用います.抗凝固剤を全く含まないプレーン採血管で採取した場合,完全に凝血するまで室温で30分間以上静置する必要があります.近年,検査の自動化が進み,分析装置の性能が向上し測定時間が短縮されてきたため,検査結果報告時間(turnaround time:TAT)の短縮は検体の前処理の時間に左右される傾向が強くなっています.

 そのため,血液凝固の時間を短縮し,検体の前処理にかかる時間を短くする目的で,多くの施設では凝固促進剤の添加された採血管が使用されています.凝固促進剤としてシリカ粒子を採血管の管壁全体に塗布し,内因性凝固を活性化させて血液凝固を進行させることで,採血後の血液放置を15分に短縮できます.さらに,血液凝固を促進させる目的でトロンビンを塗布し,血液放置を5分に短縮した高速凝固採血管も開発されました.本稿では,凝固促進剤入り採血管の使用時における注意点について述べたいと思います.

参考文献

1)石田奈美,生戸健一,佐藤伊都子,他:改良型高速凝固採血管の評価.医学検査 63:350-354,2014
2)石沢修二,熊切春男,望月照次,他:採血管使用の問題点 1.HBs抗原測定について.医学検査 53:767-770,2004
3)石田奈美,佐藤伊都子,林伸英,他:高速凝固採血管の検査値の評価—トロンビン添加による検査値への影響.医学検査 64:236-241,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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