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連載 帰ってきた やなさん。・17
やなさん。久々の休暇(後編)
著者: 柳田絵美衣12
所属機関: 1慶應義塾大学病院臨床検査科ゲノム検査室 2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
ページ範囲:P.162 - P.162
文献購入ページに移動「こんなに条件のいい海は久々ですよ!」と,シュノーケリングのガイドさん.さらに,昨日までの大荒れの影響で浜辺にはわれわれのみ.ラッキーすぎる.この季節,海水は冷たいので全身ウエットスーツ! と着込んだわりに,天気のおかげで水温はヌクヌク.最適温度だ.フィンを装着し,沖へ向かう.水中に潜ると,空からの光が水を伝い,キビナゴの集団がキラキラ光って泳ぎ回っている.そんななか,ガイドさんがいきなり海の底を目指して一直線に素潜り.すごっ! キラキラした笑顔で何かを拾ってきた…….「これ,何かわかりますか?」ナマコだろ.知ってるわ…….「屋久島はウミガメの上陸が日本で一番多い島.しかし産卵によるウミガメの上陸,子ガメのふ化の時期からずれているから,海にいるのはわれわれだけなんだろうか……」と,目の前のどす黒いナマコを見つめながら柳田は大きな不安に襲われていた(ナマコよ,君に会えたこともうれしいのだよ……うん).
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