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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック

序文 フリーアクセス

著者: 大楠清文1

所属機関: 1東京医科大学微生物学分野

ページ範囲:P.170 - P.171

 培地を観察している3人の微生物検査技師に出会ったとします.そして,それぞれに「いま,何をしていますか?」と質問してみると,次のような返答がありました.1人目のA技師は「見てのとおり,菌を釣っているのだ」,2人目のB技師は「見てのとおり,菌を同定・感受性機器にかけようとしているのだ」,3人目のC技師は「見てのとおり,グラム染色像と患者背景とを加味して起炎菌を捉えようとしているのだ」.どの技師も,やっている行為は“培地を観察する”ことで共通しています.しかし,それぞれの返答は違います.それは見ているところが違うからです.

 よりよい技師になるためには,「自分がやっている目の前の取り組みが何につながっているのか」を見いだすことが重要です.コロニーを拾うだけの技師になるのか? なんでもすぐ機器にかける技師になるのか? 起炎菌を捉えられる技師になるのか? 私は,ただ業務として仕事をするのではなく,志を持って“志事”をすることこそが大切だと思うのです.そして,この志を導く上司(師匠)の存在もまた欠かすことができません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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