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増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 総論 基本的な技術と操作法
微生物検査の基本的な考え方
著者: 大楠清文1
所属機関: 1東京医科大学微生物学分野
ページ範囲:P.178 - P.182
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微生物検査は,①塗抹検査(顕微鏡による直接的な観察),②迅速抗原検査(免疫学的な方法による抗原の検出),③細菌の分離培養と菌種の同定,④薬剤感受性試験,⑤病原体の遺伝子検査,の5つに大別される.これらの検査を適宜活用することによって感染症の診断と治療を行う.おのおのの検査は独立した“点”としてのツールではなく,全ては“感染症診療の最適化”のために双方向の“線”で結ばれて存在する.本稿では,おのおのの検査の特徴を紹介しながら,臨床微生物検査の基本的な考え方を概説したい.
なお,より大きな枠組みとして,私が大切だと考えている微生物検査の“志事”については,序文に誌幅を取って述べさせていただいた.ぜひそちらも併せてご一読いただきたい.
微生物検査は,①塗抹検査(顕微鏡による直接的な観察),②迅速抗原検査(免疫学的な方法による抗原の検出),③細菌の分離培養と菌種の同定,④薬剤感受性試験,⑤病原体の遺伝子検査,の5つに大別される.これらの検査を適宜活用することによって感染症の診断と治療を行う.おのおのの検査は独立した“点”としてのツールではなく,全ては“感染症診療の最適化”のために双方向の“線”で結ばれて存在する.本稿では,おのおのの検査の特徴を紹介しながら,臨床微生物検査の基本的な考え方を概説したい.
なお,より大きな枠組みとして,私が大切だと考えている微生物検査の“志事”については,序文に誌幅を取って述べさせていただいた.ぜひそちらも併せてご一読いただきたい.
参考文献
1)永田邦昭:感染症診断に役立つグラム染色—実践永田邦昭のグラム染色カラーアトラス,第2版.シーニュ,2014
2)山本剛:グラム染色道場 肺炎診療に生かす喀痰グラム染色の見方・考え方.日本医事新報社,2019
3)細川直登(編):感度と特異度からひもとく感染症診療のDecision Making.文光堂,pp145-149,2012
4)大楠清文:いま知りたい臨床微生物検査実践ガイド—珍しい細菌の同定・遺伝子検査・質量分析.医歯薬出版,pp10-98,2013
5)大楠清文,江崎孝行:感染症診断における遺伝子解析技術の適応.日臨微生物誌 18:162-175,2008
6)大楠清文,江崎孝行:遺伝子解析技術を活用した感染症診断の実践.小児感染免疫 25:55-62,2013
7)Messacar K, Parker SK, Todd JK, et al : Implementation of Rapid Molecular Infectious Disease Diagnostics : the Role of Diagnostic and Antimicrobial Stewardship. J Clin Microbiol 55:715-723,2017
8)Bard JD, Lee F : Why Can't We Just Use PCR? The Role of Genotypic versus Phenotypic Testing for Antimicrobial Resistance Testing. Clin Microbiol Newsl 40:87-95,2018
9)Abbott AN, Fang FC : Clinical impact of multiplex syndromic panels in the diagnosis of bloodstream, gastrointestinal, respiratory, and central nervous system infections. Clin Microbiol Newsl 39:133-142,2017
10)Kuypers J. Impact of Rapid Molecular Detection of Respiratory Viruses on Clinical Outcomes and Patient Management. J Clin Microbiol 57:e01890-e01918,2019
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