icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 総論 基本的な技術と操作法

定量培養(喀痰,尿)

著者: 木村圭吾1

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院臨床検査部感染微生物検査室

ページ範囲:P.206 - P.210

文献購入ページに移動
喀痰の定量培養

 “喀痰の定量培養”と聞いて,どれほどの先生がイメージできるだろうか.現在,実際に微生物検査に従事している現役の臨床検査技師の先生方にはなじみが薄いかもしれないが,その歴史は古く,1962年のLouriaらの報告までさかのぼる.

 元来,喀痰は口腔内常在菌による汚染が避けきれない材料であり,また喀痰内における菌の分布が不均一であることより,通常の方法での分離培養では真の原因菌を判断しかねる場合が少なくない,という側面をもつ.仮に肺内における感染症原因菌であれば,その菌は喀出の途中で口腔内で汚染された菌よりも数量的に多く存在するであろう,との考え方から試みられたのが定量培養である.

参考文献

/mlの意義.日胸疾会誌 16:77-89,1978
2)小栗豊子(編):臨床微生物検査ハンドブック,第4版.三輪書店,2011
3)JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会:JAID/JSC感染症治療ガイド2019.日本感染症学会・日本化学療法学会,2019
4)Leber A (ed) : Clinical Microbiology Procedures Handbook, 4th ed. American Society for Microbiology, 2016
5)Hooton TM, Roberts PL, Cox ME, et al : Voided midstream urine culture and acute cystitis in premenopausal women. N Engl J Med 369:1883-1891,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?