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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性球菌

カタル球菌—Moraxella catarrhalis

著者: 中山麻美1

所属機関: 1東北大学病院診療技術部検査部門

ページ範囲:P.270 - P.271

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Summary

 カタル球菌(Moraxella catarrhalis)はヒトの鼻咽頭粘膜に常在するグラム陰性双球菌である.慢性気道感染症患者では保有率が高く,中耳炎や副鼻腔炎の起炎菌となる.呼吸器感染症では,肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)やインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)と同時に検出されることが多い.

 患者背景とグラム(Gram)染色からM. catarrhalisが疑われた場合,翌日の培地上で“hockey puck test”陽性の集落であるかを確認する.また,ほとんどの株がβ-ラクタマーゼを産生することから,β-ラクタマーゼ試験が陽性であることがポイントである.さらには,ブチレート試験陽性を確認することで同定できる.ナイセリア(Neisseria)属菌との鑑別にはDNase産生が陽性であることが有用である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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