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文献概要
増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陽性桿菌
ジフテリア菌—Corynebacterium diphtheriae
著者: 西村恵子1
所属機関: 1香川大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.283 - P.285
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ジフテリアはジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の感染によって引き起こされる上気道粘膜疾患であり,菌の産生する毒素により全身的な中毒症状を呈し,重篤化し死に至ることもある.毒素産生株と非産生株があり,毒素非産生株ではその病原性は低い.国内のジフテリア患者の届け出数は,1945年には約8万6千人であったが,トキソイドワクチンの接種により,1990年代では21人と著しく減少し,2000年以降発生例はない.しかし,2001年,国内でジフテリア症状を呈した患者からジフテリア毒素産生能をもったC. ulceransが分離され,2017年までに25例が確認されており注意が必要である1).
ジフテリアはジフテリア菌(Corynebacterium diphtheriae)の感染によって引き起こされる上気道粘膜疾患であり,菌の産生する毒素により全身的な中毒症状を呈し,重篤化し死に至ることもある.毒素産生株と非産生株があり,毒素非産生株ではその病原性は低い.国内のジフテリア患者の届け出数は,1945年には約8万6千人であったが,トキソイドワクチンの接種により,1990年代では21人と著しく減少し,2000年以降発生例はない.しかし,2001年,国内でジフテリア症状を呈した患者からジフテリア毒素産生能をもったC. ulceransが分離され,2017年までに25例が確認されており注意が必要である1).
参考文献
1)厚生労働省:コリネバクテリウム・ウルセランスに関するQ&A(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou18/corynebacterium_02.html)(2020年11月17日アクセス)
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