文献詳細
文献概要
増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陽性桿菌
ノカルジア属菌—Nocardia spp.
著者: 西村恵子1
所属機関: 1香川大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.286 - P.289
文献購入ページに移動Summary
ノカルジア(Nocardia)属は,好気性の放線菌であり,土壌・水など自然界に広く存在する.本属菌に起因するノカルジア症は,創傷部からの菌侵入などにより,皮膚および皮下組織に病巣を形成する皮膚ノカルジア症と,経気道的に肺に感染し,血行性に全身臓器に播種する内臓ノカルジア症に分類される.中でも脳に播種する脳膿瘍は重篤な感染症であり,注意が必要である.また,健常者でも感染を起こすことはあるが,多くは日和見感染であり,ステロイドなどの免疫抑制剤の使用や基礎疾患をもつ免疫不全宿主における感染症として重要である.
本属菌は発育に時間を要するため,上記のような患者情報を念頭にグラム(Gram)染色を注意深く観察し,培養期間を延長することで分離可能となる.
ノカルジア(Nocardia)属は,好気性の放線菌であり,土壌・水など自然界に広く存在する.本属菌に起因するノカルジア症は,創傷部からの菌侵入などにより,皮膚および皮下組織に病巣を形成する皮膚ノカルジア症と,経気道的に肺に感染し,血行性に全身臓器に播種する内臓ノカルジア症に分類される.中でも脳に播種する脳膿瘍は重篤な感染症であり,注意が必要である.また,健常者でも感染を起こすことはあるが,多くは日和見感染であり,ステロイドなどの免疫抑制剤の使用や基礎疾患をもつ免疫不全宿主における感染症として重要である.
本属菌は発育に時間を要するため,上記のような患者情報を念頭にグラム(Gram)染色を注意深く観察し,培養期間を延長することで分離可能となる.
参考文献
1)三上襄:病原性放線菌の分類学的研究と新たな研究展開.日医真菌会誌 51:179-192,2010
2)川上治,剣持順也,杉浦真,他:転移性脳腫瘍との鑑別が問題となったノカルジア脳膿瘍の1例.臨神経 48:401-405,2008
掲載誌情報