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増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌
赤痢菌—Shigella spp.
著者: 磯崎将博1
所属機関: 1天草地域医療センター検査部
ページ範囲:P.303 - P.305
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赤痢菌(Shigella属)は細菌性赤痢の原因菌であり,1898年に志賀潔によって発見され,その名にちなんでShigellaという属名が付けられた.日本国内における細菌性赤痢患者数は,戦後しばらくは10万人を超え,毎年2万人近くが死亡していたが,1974年に2,000人を割り,現在まで徐々に減少傾向にある.近年の患者数は100〜200人程度で,日常検査でもあまり遭遇することのない比較的まれな細菌になりつつある.最近の報告例の約半数は,インド,インドネシア,タイなど,主にアジア地域からの輸入感染例が占めている.しかし,まれに国内で大規模集団感染を起こすこともあるため,決して見落としてはならない重要な細菌の1つである.そこで本稿では,Shigella属の基本的な特徴や培養・同定方法について解説する.
赤痢菌(Shigella属)は細菌性赤痢の原因菌であり,1898年に志賀潔によって発見され,その名にちなんでShigellaという属名が付けられた.日本国内における細菌性赤痢患者数は,戦後しばらくは10万人を超え,毎年2万人近くが死亡していたが,1974年に2,000人を割り,現在まで徐々に減少傾向にある.近年の患者数は100〜200人程度で,日常検査でもあまり遭遇することのない比較的まれな細菌になりつつある.最近の報告例の約半数は,インド,インドネシア,タイなど,主にアジア地域からの輸入感染例が占めている.しかし,まれに国内で大規模集団感染を起こすこともあるため,決して見落としてはならない重要な細菌の1つである.そこで本稿では,Shigella属の基本的な特徴や培養・同定方法について解説する.
参考文献
1)国立感染症研究所:IASR 24:208-214,2003(http://idsc.nih.go.jp/iasr/24/283/inx283-j.html)(2020年11月13日アクセス)
2)WHO : Weekly epidemiological record Relevéépidémiologique hebdomadaire. Weekly Epidemiological Record 80:93-100,2005(https://www.who.int/wer/2005/wer8011.pdf)(2020年11月13日アクセス)
3)国立感染症研究所感染症情報センター:IDWR(感染症発生動向調査週報),2002年第8週
4)東京都感染症情報センター:東京都において分離された赤痢菌の菌種,血清型および薬剤感受性について(2018年)(http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/epid/y2019/tbkj4011/)(2020年11月13日アクセス)
5)国立感染症研究所:海外旅行下痢症患者より分離されたCTX-M型β-lactamase産生Shigella sonnei.IASR 27:264-265,2006(http://idsc.nih.go.jp/iasr/27/320/pr3206.html)(2020年11月13日アクセス)
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