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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

非チフス性サルモネラ菌—Salmonella spp.

著者: 富樫真弓1

所属機関: 1一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院臨床検査科

ページ範囲:P.310 - P.312

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Summary

 サルモネラ(Salmonella)属は通性嫌気性グラム陰性桿菌で,腸内細菌目に含まれる.自然界に広く分布しており,ペット(ミドリガメや鳥類,爬虫類など)が感染源になることがある.ヒトに病原性を示すのはS. enterica subsp. entericaとS. enterica subsp. arizonaeである.臨床材料から多く検出されるのは主にS. enterica subsp. entericaで,原因食品として豚肉や鶏卵が挙げられるが,近年,ワクチンの普及によって鶏卵由来の感染は減少している.S. enterica subsp. arizonaeはヘビやトカゲなど,爬虫類の腸管常在菌であり,これらを介してヒトに胃腸炎を起こす.

参考文献

1)春田陽平,藤原将巳,齊田義和,他:非チフス性Salmonella菌による腰仙椎化膿性脊椎炎の1例.整外と災外 67:713-717,2018
2)萬谷峻史,渡部宗一郎,高橋知之,他:若年男性に発生したサルモネラ菌による胸壁膿瘍の1例.函館医誌 42:29-32,2018
3)坂崎利一,田村和満:腸内細菌(上巻),第3版.近代出版,1992
4)山本友子,高屋明子:サルモネラの細胞侵入と食細胞内寄生の分子機構.日細菌誌 60:375-387,2005
5)Clinical and Laboratory Standards Institute : Performance Standards for Antimicrobial Susceptibility Testing, 30th Edition, M100. CLSI, Wayne, PA, 2020
6)塚本展子,佐藤孝志,砂押克彦,他:埼玉県内で分離されたヒト由来サルモネラの血清型と薬剤感受性(2017).埼衛研所 52:81-82,2018
7)渡邉真子,永井佐代子,白井良雄,他:当院における非チフス性サルモネラ属菌の分離状況について:過去10年間の成績—サルモネラ血清型と薬剤感受性の動向.医学検査 67:529-534,2018
8)遠藤彰一郎,安藤隆,阿部正樹,他:本邦ではまれなESBL産生Salmonella属菌が分離された一例.医学検査 68:584-588,2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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