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文献概要
増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌
非チフス性サルモネラ菌—Salmonella spp.
著者: 富樫真弓1
所属機関: 1一般財団法人神奈川県警友会けいゆう病院臨床検査科
ページ範囲:P.310 - P.312
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サルモネラ(Salmonella)属は通性嫌気性グラム陰性桿菌で,腸内細菌目に含まれる.自然界に広く分布しており,ペット(ミドリガメや鳥類,爬虫類など)が感染源になることがある.ヒトに病原性を示すのはS. enterica subsp. entericaとS. enterica subsp. arizonaeである.臨床材料から多く検出されるのは主にS. enterica subsp. entericaで,原因食品として豚肉や鶏卵が挙げられるが,近年,ワクチンの普及によって鶏卵由来の感染は減少している.S. enterica subsp. arizonaeはヘビやトカゲなど,爬虫類の腸管常在菌であり,これらを介してヒトに胃腸炎を起こす.
サルモネラ(Salmonella)属は通性嫌気性グラム陰性桿菌で,腸内細菌目に含まれる.自然界に広く分布しており,ペット(ミドリガメや鳥類,爬虫類など)が感染源になることがある.ヒトに病原性を示すのはS. enterica subsp. entericaとS. enterica subsp. arizonaeである.臨床材料から多く検出されるのは主にS. enterica subsp. entericaで,原因食品として豚肉や鶏卵が挙げられるが,近年,ワクチンの普及によって鶏卵由来の感染は減少している.S. enterica subsp. arizonaeはヘビやトカゲなど,爬虫類の腸管常在菌であり,これらを介してヒトに胃腸炎を起こす.
参考文献
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