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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

エロモナス属菌—Aeromonas spp.

著者: 早川貴範1

所属機関: 1徳島県立中央病院メディエンス検査室

ページ範囲:P.320 - P.322

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Summary

 エロモナス(Aeromonas)属菌は淡水域の常在菌で,河川,湖沼,その周辺の土壌および魚介類などに広く分布し,衛生状態の悪い汽水域や湾内,沿岸海水からもよく分離されるオキシダーゼ陽性のブドウ糖発酵グラム陰性桿菌である.本菌感染症の発生は菌の増殖が活発な夏季に多い.現在20菌種以上が報告されており,A. hydrophila complex,A. caviae complex,A. veronii complexに大別される1).魚類,爬虫類および両生類に対しても病原性を示す.ヒト感染症には一般に中温性Aeromonas属菌が起因し,胃腸炎や下痢症などの腸管感染症,創傷感染症などの腸管外感染症を引き起こす.

参考文献

1)一般社団法人日本臨床衛生検査技師会(監):JAMT技術教本シリーズ 臨床微生物検査技術教本.丸善出版,p169,2017
2)岡田淳,設楽政次,長沢光章,他(編):臨床検査学講座 微生物学/臨床微生物学,第1版.医歯薬出版,pp157-158,2001
3)小栗豊子(編):臨床微生物検査ハンドブック,第5版.三輪書店,pp136-137,2017
4)佐々木雅一(著),岡秀昭(編・著):微生物プラチナアトラス,第1版.メディカル・サイエンス・インターナショナル,pp101-102,2018
5)国立感染症研究所:エロモナス・ハイドロフィラ/ソブリア感染症(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ta/vibrio-enteritis/392-encyclopedia/363-aeromonas-intro.html)(2020年11月4日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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