文献詳細
増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌
ステノトロフォモナス・マルトフィリア—Stenotrophomonas maltophilia
著者: 佐々木雅一1
所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院臨床検査部
ページ範囲:P.329 - P.331
文献概要
ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)はブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌で,環境中に存在する弱毒の日和見病原菌である.人工呼吸器関連肺炎(VAP)としても頻度が高く,国内においても起因菌の上位菌種である.培養1日ではコロニーサイズは小さいものの,日常検査で利用する培地・培養条件で検出が可能である.染色体性のメタロ-β-ラクタマーゼを産生し,β-ラクタム系薬剤には耐性傾向を示すことから,しばしば菌交代現象としての検出も認められる.したがって,起因菌としての判断は慎重に行う必要がある菌である.
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