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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

ステノトロフォモナス・マルトフィリア—Stenotrophomonas maltophilia

著者: 佐々木雅一1

所属機関: 1東邦大学医療センター大森病院臨床検査部

ページ範囲:P.329 - P.331

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Summary

 ステノトロフォモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)はブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌で,環境中に存在する弱毒の日和見病原菌である.人工呼吸器関連肺炎(VAP)としても頻度が高く,国内においても起因菌の上位菌種である.培養1日ではコロニーサイズは小さいものの,日常検査で利用する培地・培養条件で検出が可能である.染色体性のメタロ-β-ラクタマーゼを産生し,β-ラクタム系薬剤には耐性傾向を示すことから,しばしば菌交代現象としての検出も認められる.したがって,起因菌としての判断は慎重に行う必要がある菌である.

参考文献

1)石井良和:ステノトロフォモナス・マルトフィリア.臨検 58:1342-1344,2014
2)大城健哉:Stenotrophomonas maltophilia.検と術 46:240-241,2018
3)厚生労働省言案内感染対策サーベイランス:公開情報 2019年1月〜12月 年報 院内感染対策サーベイランス 集中治療室部門.2020(https://janis.mhlw.go.jp/report/open_report/2019/3/3/ICU_Open_Report_201900.pdf)(2020年12月7日アクセス)
4)一般社団法人日本感染症学会,公益社団法人日本化学療法学会 JAID/JSC感染症治療ガイド・ガイドライン作成委員会 呼吸器感染症WG:JAID/JSC感染症治療ガイドライン 呼吸器感染症.日化療会誌 62:1-109,2014(http://www.chemotherapy.or.jp/guideline/jaidjsc-kansenshochiryo_kokyuki.pdf)(2020年12月7日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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