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増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌
インフルエンザ菌—Haemophilus influenzae
著者: 静野健一1
所属機関: 1千葉市立海浜病院臨床検査科
ページ範囲:P.335 - P.337
文献購入ページに移動インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)は,主に気管支炎や肺炎などの下気道感染症や,中耳炎,副鼻腔炎などの局所感染症から分離され,まれに菌血症や髄膜炎の起炎菌となる.露滴状のmucoid型コロニーを形成する株は莢膜株と呼ばれ,a〜fの血清型に分類される.このうち,b型(Hib)は敗血症,髄膜炎などの侵襲性疾患を引き起こす強毒株であるが,2013年にワクチンが定期接種化されてから,国内ではほとんど認められなくなっている(表1).
なお,国内の保菌調査において,3歳までに50%以上がH. influenzaeを上気道に保菌していたとの報告もあり1),小児の気道由来検体で分離された場合には,起炎菌であるかどうかの確認が必要である.
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