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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

インフルエンザ菌—Haemophilus influenzae

著者: 静野健一1

所属機関: 1千葉市立海浜病院臨床検査科

ページ範囲:P.335 - P.337

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Summary

 インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)は,主に気管支炎や肺炎などの下気道感染症や,中耳炎,副鼻腔炎などの局所感染症から分離され,まれに菌血症や髄膜炎の起炎菌となる.露滴状のmucoid型コロニーを形成する株は莢膜株と呼ばれ,a〜fの血清型に分類される.このうち,b型(Hib)は敗血症,髄膜炎などの侵襲性疾患を引き起こす強毒株であるが,2013年にワクチンが定期接種化されてから,国内ではほとんど認められなくなっている(表1).

 なお,国内の保菌調査において,3歳までに50%以上がH. influenzaeを上気道に保菌していたとの報告もあり1),小児の気道由来検体で分離された場合には,起炎菌であるかどうかの確認が必要である.

参考文献

1)Otsuka T, Chang B, Shirai T, et al : Individual risk factors associated with nasopharyngeal colonization with Streptococcus pneumoniae and Haemophilus influenza : a Japanese birth cohort study. Pediatr Infect Dis J 32:709-714,2013
2)Ishiwada N, Cao LD, Kohno Y : PCR-based capsular serotype determination of Haemophilus influenzae strains recovered from Japanese paediatric patients with invasive infection. Clin Microbiol Infect 10:895-898,2004
3)福岡史奈,宮本仁志,村上忍,他:当院におけるampicillin耐性Haemophilus influenzaeの検出状況と薬剤感受性について.日臨微生物会誌 24:213-219,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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