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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

百日咳菌—Bordetella pertussis

著者: 静野健一1

所属機関: 1千葉市立海浜病院臨床検査科

ページ範囲:P.338 - P.340

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Summary

 百日咳菌(Bordetella pertussis)が引き起こす百日咳は,強い痙攣性の咳発作を引き起こし,乳児では重篤化するため特に注意が必要である.麻疹ウイルスと同程度の強い伝播力をもち,ワクチンの効果は永続的ではないため,成人も発症する.培養検査には専用培地を必要とし,感染初期の風邪症状を呈するカタル期に最も分離率が高く,特徴的な咳症状が続く痙咳期になると検出率は低下するが,近年,遺伝子検査の普及により報告数が増加している.類似の症状を引き起こすパラ百日咳菌(B. parapertussis)は,百日咳毒素(PT)を産生しないため,症状は百日咳よりも軽い.その他,まれであるがB. holmesiiやB. bronchisepticaなどが報告されている.なお,2018年1月より5類感染症・全数把握疾患となったため,菌の分離や遺伝子検出など要件を満たした際は7日以内の届け出が必要となる.

参考文献

1)大楠清文:いま知りたい 臨床微生物検査実践ガイド.Chapter 1 12. Bordetella holmesii.医歯薬出版,pp91-97,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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