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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

パスツレラ属菌—Pasteurella spp.

著者: 静野健一1

所属機関: 1千葉市立海浜病院臨床検査科

ページ範囲:P.341 - P.343

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Summary

 パスツレラ(Pasteurella)属には十数菌種が含まれ,P. multocidaがヒトを含め人畜共通感染症として最も多く分離される.P.multocidaはヒトを除くほとんどの動物の口腔内に常在し,イヌの75%,ネコのほぼ100%が保菌しているとされ1),イヌ・ネコ咬傷時,受傷から短時間に腫脹,疼痛を認めた場合には本菌の感染を疑う.創傷感染症の他,気管支炎や肺炎などの下気道感染症からも分離され,重症例では敗血症を伴う死亡例も報告されている2).P.multocidaの他,P.canis,P.dagmatis,P.stomatisなどがイヌ・ネコに関連する感染症起炎菌として報告されている.

参考文献

1)荒島康友:Ⅰ.犬・猫の咬掻傷感染症 総論.大塚薬報 665:34-38,2011
2)大橋久美子,滝川久美子,荒井ひろみ,他:Pasteurella multocidaの分離状況と患者背景—最近9年間の成績.日臨微生物誌 26:34-40,2016
3)Citron DM, Warren YA, Fernandez HT, et al : Broth microdilution and disk diffusion tests for susceptibility testing of Pasteurella species isolated from human clinical specimens. J Clin Microbiol 43:2485-2488,2005
4)San Millan A, Escudero JA, Gutierrez B, et al : Multiresistance in Pasteurella multocida is mediated by coexistence of small plasmids. Antimicrob Agents Chemother 53:3399-3404,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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