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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 グラム陰性桿菌

ヘリコバクター・ピロリ—Helicobacter pylori

著者: 大城健哉1

所属機関: 1那覇市立病院医療技術部検査室

ページ範囲:P.348 - P.349

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Summary

 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)はらせん状のグラム陰性桿菌で,一端に4〜8本の鞭毛を有し,2〜3回ねじれたS字状を示す.強力なウレアーゼを産生し,胃酸を中和して胃粘膜に定着する.微好気性菌で,H. pylori専用の選択培地や血液寒天培地を用いて35℃,微好気培養を行う.慢性萎縮性胃炎や胃・十二指腸潰瘍,胃粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫,胃癌,特発性血小板減少性紫斑病,鉄欠乏性貧血などの疾患との関連性がある.一次除菌で使用するクラリスロマイシン(CAM)の耐性菌が年々増加傾向にある.

参考文献

1)LPSN : Genus Helicobacter(https://lpsn.dsmz.de/genus/helicobacter)(2020年10月1日アクセス)
2)中澤晶子:ヘリコバクター属細菌の分類.臨と微生物 42:99-104,2015
3)大崎敬子,神谷茂:H. pylori感染症の疫学,感染経路.臨と微生物 42:113-118,2015
4)日本ヘリコバクター学会ガイドライン作成委員会(編):H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版.先端医学社,2016(http://www.jshr.jp/pdf/journal/guideline2016.pdf)(2021年1月6日アクセス)
5)松久威史:H. pylori感染症の除菌治療.臨と微生物 42:137-143,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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