文献詳細
増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法 クラミジア/マイコプラズマ/スピロヘータ/リケッチア
肺炎マイコプラズマ—Mycoplasma pneumoniae
著者: 舟橋恵二1
所属機関: 1JA愛知厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
ページ範囲:P.352 - P.354
文献概要
マイコプラズマ科(Mycoplasmataceae)マイコプラズマ(Mycoplasma)属菌は,主に脊椎動物の細胞に付着して寄生する.肺炎マイコプラズマ(M. pneumoniae)は非定型肺炎の病原因子として,1944年にEatonら1)が発表した研究成果に基づき初めて認識された.今日では,市中肺炎や急性気管支炎の診療上最もよく遭遇する病原体の1つとなっている.M. pneumoniaeの培養を行っている施設は少なく,臨床では主に血清抗体価測定や遺伝子検出が検査診断法として用いられている.
2000年以降,M. pneumoniaeの第一選択薬とされてきたマクロライド(ML)系抗菌薬に耐性を示す株が分離されるようになった.さらに遷延例や重症化例の報告も散見されており,急性期の検査診断を迅速に行うことが必要とされている.本稿ではM. pneumoniaeについて,一般的な知識として必要な内容を解説する.
参考文献
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