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増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 クラミジア/マイコプラズマ/スピロヘータ/リケッチア
クラミジア(クラミドフィラ)—Chlamydia trachomatis,Chlamydia pneumoniae,Chlamydia psittaci
著者: 舟橋恵二1
所属機関: 1JA愛知厚生連江南厚生病院臨床検査技術科
ページ範囲:P.355 - P.357
文献購入ページに移動ヒトに病原性を示すクラミジア科(Chlamydiaceae)クラミジア(Chlamydia)属菌として,トラコーマ・クラミジア(C. trachomatis),肺炎クラミジア(C. pneumoniae),オウム病クラミジア(C. psittaci)などが知られている.主にC. trachomatisは新生児肺炎や性器感染症を,C. pneumoniaeは市中肺炎を,C. psittaciは人獣共通感染症であるオウム病を引き起こす.
クラミジア属は,1999年Everettらにより16Sと23SのリボソームRNA遺伝子の分析が行われ1),クラミジア属とクラミドフィラ(Chlamydophila)属に分別することが提唱された.しかしその後の議論により,クラミドフィラ属の菌種は全てクラミジア属へ回帰している2).クラミジア属による感染症の治療では,β-ラクタム系抗菌薬が有効でないため,他の感染症との鑑別を要する場合もある.本稿ではクラミジア属菌のC. trachomatis,C. pneumoniae,C. psittaciについてそれぞれ解説する.
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