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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 クラミジア/マイコプラズマ/スピロヘータ/リケッチア

梅毒トレポネーマ—Treponema pallidum

著者: 大楠清文1

所属機関: 1東京医科大学微生物学分野

ページ範囲:P.358 - P.360

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Summary

・梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)は直径0.1〜0.2μm,長さ6〜20μmの屈曲した6〜14施転のらせん状菌である.

・通常の明視野光学顕微鏡では視認できず,暗視野顕微鏡で観察される.

・試験管内での培養は不可能で,ウサギの睾丸内で培養する以外に現実的方法はなく,血清学的な診断が主流である.

・血清抗体は感染後,初めにカルジオリピンに対する抗体価(非トレポネーマ抗原による検査:VDRL,RPR,自動化法)が上昇し,次いでトレポネーマに対する特異的抗体価(トレポネーマ抗原による検査:FTA-ABS法,TPHA法)が上昇する.

・海外ではペニシリンGの筋注単回投与が一般的であるが,国内ではペニシリンGの筋注は使用できないため,経口合成ペニシリン剤(アモキシシリンなど)を長期間投与することが推奨されている.

・全数報告対象の5類感染症である.

参考文献

1)大里和久,新村眞人,岩本愛吉:性感染症診断・治療ガイドライン2016 梅毒.日性感染症会誌 27:48-52,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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