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増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 嫌気性菌
バクテロイデス属菌—Bacteroides spp.
著者: 中村明子1 太田浩敏1 山岸由佳12 三鴨廣繁12
所属機関: 1愛知医科大学病院感染制御部 2愛知医科大学病院感染症科
ページ範囲:P.368 - P.370
文献購入ページに移動バクテロイデス(Bacteroides)属菌は,グラム陰性の偏性嫌気性桿菌であるが,酸素耐性が強く比較的培養しやすい.non-fragilis BacteroidesグループはB. fragilisと比較して薬剤耐性度が高いため,これらを鑑別することが臨床上重要である.GAM寒天培地,ブルセラHK寒天培地などに嫌気条件で容易に発育し,生化学的性状,質量分析法により菌名の同定は比較的容易である.Bacteroides属は,横隔膜より下部の感染症を中心に最も多く検出され,腹腔内感染症,消化器および生殖器に対する術後感染症において,臨床上重要である.近年,クリンダマイシンだけではなく,セフメタゾール,アンピシリン・スルバクタムの耐性率が上昇しており,B. fragilisではカルバペネム薬耐性も低頻度ながら検出されている.
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