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増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 嫌気性菌
フソバクテリウム属菌—Fusobacterium spp.
著者: 宮﨑成美1 太田浩敏1 山岸由佳12 三鴨廣繁12
所属機関: 1愛知医科大学病院感染制御部 2愛知医科大学病院感染症科
ページ範囲:P.371 - P.373
文献購入ページに移動フソバクテリウム(Fusobacterium)属菌は無芽胞の偏性嫌気性グラム陰性桿菌であり,臨床上重要な菌種として,F. necrophorum,F. nucleatum,F. varium,F. mortiferumなどが知られている.口腔咽頭部,消化管,生殖器などに常在しており,全身のさまざまな臓器の化膿性感染症から分離され,特に,F. necrophorumはレミエール(Lemierre)症候群との関連性が高い.また,炎症性腸疾患や大腸癌との関連も報告されている.
Fusobacterium属菌は酸素感受性であるため,培養時は酸素への曝露がないよう取り扱う必要がある.菌種はグラム(Gram)染色形態,コロニー性状,生化学的性状などにより同定可能である.多くの株がペニシリン系薬,セファロスポリン系薬,カルバペネム系薬,クリンダマイシン,メトロニダゾールなどの抗菌薬に感性を示す.
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