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増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 真菌
アスペルギルス属菌—Aspergillus spp.
著者: 田澤庸子1
所属機関: 1NTT東日本関東病院臨床検査部
ページ範囲:P.398 - P.400
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アスペルギルス(Aspergillus)属は自然環境に広く存在し,発酵食品や医薬品,酵素,有機酸などの製造過程で使用される菌種がある一方で,ヒトや動物の日和見感染の原因となる菌種,マイコトキシンの産生や食品汚染菌として食品衛生上問題となる菌種がある.Aspergillus属のうち,ヒトにアスペルギルス症を引き起こす菌種として最も多く分離されるのはA. fumigatusである.Aspergillus属を目的とした分離培養は,真菌用培地で35℃一夜培養後,1〜2週間室温培養する.同定は,巨大集落の観察(色調,発育速度,表面の性状)および顕微鏡学的形態観察の所見から既知菌種の形態と照合して同定する.
アスペルギルス(Aspergillus)属は自然環境に広く存在し,発酵食品や医薬品,酵素,有機酸などの製造過程で使用される菌種がある一方で,ヒトや動物の日和見感染の原因となる菌種,マイコトキシンの産生や食品汚染菌として食品衛生上問題となる菌種がある.Aspergillus属のうち,ヒトにアスペルギルス症を引き起こす菌種として最も多く分離されるのはA. fumigatusである.Aspergillus属を目的とした分離培養は,真菌用培地で35℃一夜培養後,1〜2週間室温培養する.同定は,巨大集落の観察(色調,発育速度,表面の性状)および顕微鏡学的形態観察の所見から既知菌種の形態と照合して同定する.
参考文献
1)田澤庸子:真菌検査.臨と微生物 45:615-621,2018
2)小栗豊子,阿部美和子,池田玲子,他:日本医真菌学会標準化委員会報告 日常微生物検査における標準的真菌検査マニュアル(2013).Med Mycol J 54:345-360,2013
3)田澤庸子:付録 主な真菌の性状.臨と微生物 44:656-661,2017
4)山口英世:病原真菌と真菌症,改訂4版.南山堂,p169,2007
5)江上徹也,野口美和,上田成一:耳鼻咽喉科疾患としての真菌症.日医真菌会誌 44:277-283,2003
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