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文献概要
増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 真菌
クリプトコックス属菌—Cryptococcus spp.
著者: 田澤庸子1
所属機関: 1NTT東日本関東病院臨床検査部
ページ範囲:P.401 - P.403
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クリプトコックス症はクリプトコックス(Cryptococcus)属菌による感染症で,その主要な原因菌種はC. neoformansおよびC. gattiiである.環境中のCryptococcus属菌は,経気道的に吸入してヒトに感染し,肺,脳・髄膜,皮膚,さらに播種性に感染症を起こす.C. neoformans/C. gattiiの同定は,墨汁法による厚い莢膜の観察,37℃の発育能およびフェノールオキシダーゼ産生で可能である.両菌種の鑑別は,カナバニン・グリシン・ブロモチモールブルー(CGB)寒天培地上の発育,またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)による同定でできる.
クリプトコックス症はクリプトコックス(Cryptococcus)属菌による感染症で,その主要な原因菌種はC. neoformansおよびC. gattiiである.環境中のCryptococcus属菌は,経気道的に吸入してヒトに感染し,肺,脳・髄膜,皮膚,さらに播種性に感染症を起こす.C. neoformans/C. gattiiの同定は,墨汁法による厚い莢膜の観察,37℃の発育能およびフェノールオキシダーゼ産生で可能である.両菌種の鑑別は,カナバニン・グリシン・ブロモチモールブルー(CGB)寒天培地上の発育,またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)による同定でできる.
参考文献
1)DHラローン(著),山口英世(監):医真菌—同定の手引き,第5版.栄研化学,2013
2)堀内一宏,山田萌美,白井慎一,他:脳室内抗真菌薬投与が奏効したCryptococcus gattiiによる脳および肺クリプトコッカス症の1例.臨神経 52:166-171,2012
3)Chen SC, Meyer W, Sorrell TC : Cryptococcus gattii infections. Clin Microbiol 27:980-1024,2014
4)山口英世:病原真菌と真菌症,改訂4版.南山堂,pp177-183,2007
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