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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻3号

2021年03月発行

文献概要

増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック 各論 菌種別の培養・同定方法 原虫

マラリア—Plasmodium spp.

著者: 松村隆弘1

所属機関: 1北陸大学医療保健学部医療技術学科

ページ範囲:P.420 - P.423

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Summary

 マラリアはアフリカを中心とした熱帯・亜熱帯地域で流行しており,2018年には推定2億2,800万人が罹患し,推定40.5万人が死亡した重要な寄生虫感染症である1).2000年と比較すると検査キットや治療薬などの普及により死者数は半数以下となったが,感染者数は4,000万人程度の減少であり,2014年以降大きな減少はみられていない.わが国では輸入感染症として認知され,過去5年間では40〜60件/年程度の報告数で推移している.

 ヒトに感染するマラリア原虫は,ヒトに宿主特異性を示す熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum:Pf),三日熱マラリア原虫(P. vivax:Pv),四日熱マラリア原虫(P. malariae:Pm),卵形マラリア原虫(P. ovale:Po)の4種であったが,2000年以降,マレーシアを中心に感染者が増加傾向にあるサルを自然宿主とした二日熱マラリア原虫(P. knowlesi:Pk)の1種が加わり,現在は5種となっている.

参考文献

1)World Health Organization : World malaria report 2019(https://www.who.int/publications/i/item/9789241565721)(2020年11月5日アクセス)
2)上村清,井関基弘,木村英作,他:寄生虫学テキスト,第3版.文光堂,2008
3)吉田幸雄,有薗直樹:医動物学,改訂6版.南山堂,2014
4)川合覚:人獣共通感染症・サルマラリアに関する最近の知見.Mod Media 56:139-145,2010
5)国立感染症研究所:病原体検出マニュアル(https://www.niid.go.jp/niid/ja/labo-manual.html)(2020年11月9日アクセス)
6)日本医療研究開発機構新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業「わが国における熱帯病・寄生虫症の最適な診断治療予防体制の構築」(略称:熱帯病治療薬研究班):寄生虫症薬物治療の手引き2020,改訂10.2版.2020(https://www.nettai.org/資料集/)(2020年11月9日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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