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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻4号

2021年04月発行

文献概要

病気のはなし

梅毒

著者: 西村翔1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院感染症内科

ページ範囲:P.448 - P.454

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Point

●2010年以降,国内での梅毒症例は増加している.特に異性間性交渉者での症例数増加が著しい.

●梅毒の臨床経過は非常に多彩であり,特に2期ではどのような症状/兆候が出てもよい.手掌足底に皮疹を認める場合は必ず梅毒を鑑別に入れる.

●梅毒の診断は臨床症状と血清検査に基づく.トレポネーマ抗原検査は診断的であるが定性的検査である.

●トレポネーマ抗原陽性で非トレポネーマ抗原陰性の場合は,必ず検体を希釈してプロゾーン現象ではないことを確認する.

●非トレポネーマ抗原検査は疾患活動性を反映した定量的検査である.治療目標は非トレポネーマ抗原の4倍以上の低下である.

参考文献

1)国立感染症研究所感染症疫学センター・細菌第一部:日本の梅毒症例の動向について.国立感染症研究所,2020(https://www.niid.go.jp/niid/ja/syphilis-m-3/syphilis-idwrs/7816-syphilis-data-20180105.html)(2020年11月1日アクセス)
2)Golden MR, Marra CM, Holmes KK : Update on syphilis : resurgence of an old problem. JAMA 290:1510-1514,2003
3)Tanizaki R, Nishijima T, Aoki T, et al : High-dose oral amoxicillin plus probenecid is highly effective for syphilis in patients with HIV infection. Clin Infect Dis 61:177-183,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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