文献詳細
技術講座 血液
シリーズ 悪性リンパ腫におけるフローサイトメトリー・1
文献概要
Point
●細胞サイズと内部構造の複雑さを表す散乱光サイトグラムは,標本の観察にてあらかじめイメージすることができ,検体の取り違いや腫瘍細胞の見逃しの防止に役立ちます.
●軽鎖制限(LCR)によるクロナリティー解析は,CD19などの汎Bマーカーにて系統特異的に実施しますが,リンパ腫細胞が少ない場合はCD5やCD10の発現細胞,CD38/HLA-DRやCD21/CD22ヒストグラムでのB細胞分画を標的にすることで,検出率が向上します.
●成熟B細胞性リンパ腫の病型分類は,CD5とCD10の発現から3つのグループに分けることで,鑑別すべき病型を容易に絞り込めます.
●解析結果は,異常細胞の免疫形質が一目で把握できるように,カラーゲートにて散乱光サイトグラムと各ヒストグラムでの局在をハイライトさせます.
●細胞サイズと内部構造の複雑さを表す散乱光サイトグラムは,標本の観察にてあらかじめイメージすることができ,検体の取り違いや腫瘍細胞の見逃しの防止に役立ちます.
●軽鎖制限(LCR)によるクロナリティー解析は,CD19などの汎Bマーカーにて系統特異的に実施しますが,リンパ腫細胞が少ない場合はCD5やCD10の発現細胞,CD38/HLA-DRやCD21/CD22ヒストグラムでのB細胞分画を標的にすることで,検出率が向上します.
●成熟B細胞性リンパ腫の病型分類は,CD5とCD10の発現から3つのグループに分けることで,鑑別すべき病型を容易に絞り込めます.
●解析結果は,異常細胞の免疫形質が一目で把握できるように,カラーゲートにて散乱光サイトグラムと各ヒストグラムでの局在をハイライトさせます.
参考文献
1)国立がん研究センターがん情報サービス(https://ganjoho.jp/public/index.html)(2021年1月6日アクセス)
2)林田雅彦:臨床検査におけるフローサイトメトリーの活用と可能性—マルチカラー解析を中心.臨病理 63:832-840,2015
3)林田雅彦:(1)悪性リンパ腫.Med Technol 44:725-733,2016
4)林田雅彦,前川ふみよ,本庄原,他:悪性リンパ腫のマルチカラーフローサイトメトリー解析—炎症を背景にもつMALTリンパ腫およびAITLを中心に.日検血会誌 19:441-453,2018
5)Swerdlow SH, Campo E, Harris NL, et al (eds) : WHO Classification of Tumours of Haematopoietic and Lymphoid Tissues : WHO Classification of Tumours, Revised 4th Edition, Volume 2. IARC, Lyon, 2017
6)林田雅彦,永井直治,津田勝代,他:MYC-BCL2 double-hitリンパ腫症例の細胞形態と免疫形質.Cytometry Research 26:37-44,2016
7)Hayashida M, Ohno H, Kitada K, et al : Surface-antigen expression profile of follicular lymphoma cells appearing in peripheral blood. Cytometry Res 22:33-39,2012
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