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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻4号

2021年04月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

急性呼吸窮迫症候群(ARDS)

著者: 田坂定智1

所属機関: 1弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学

ページ範囲:P.508 - P.514

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Point

●急性呼吸窮迫症候群(ARDS)は敗血症や重症肺炎などを基礎疾患とし,肺微小血管の広範な傷害による透過性亢進型の肺水腫像を呈する病態である.

●ARDSでは基礎疾患によって全身性に炎症反応が亢進した状態になり,高サイトカイン血症(サイトカインストーム)がみられる.

●ARDS患者の死亡原因としては多臓器不全が最多であり,患者管理にあたっては各臓器不全のスクリーニングとともに播種性血管内凝固症候群(DIC)のモニターが重要である.

●ARDSでは慢性期に肺の線維化が生じることが知られており,回復後のADL低下の要因となるため,KL-6値の推移に注意が必要である.

参考文献

1)ARDS Definition Task Force : Acute respiratory distress syndrome : the Berlin Definition. JAMA 307:2526-2533,2012
2)Tasaka S, Tatsumi K : Clinical practice of acute respiratory distress syndrome in Japan : A nationwide survey and scientific evidences. Respir Investig 55:257-263,2017
3)田坂定智:急性呼吸窮迫症候群.日本呼吸器学会(編):新 呼吸器専門医テキスト,改訂第2版.南江堂,pp439-443,2020
4)中島拓,服部登:ARDSの血清マーカー.呼吸器内科 33:21-26,2018
5)田坂定智:ARDS時の循環障害.THE LUNG perspectives 19:498-502,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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