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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻5号

2021年05月発行

文献概要

技術講座 微生物

グラム染色

著者: 木村由美子1 栁原克紀12

所属機関: 1長崎大学病院検査部 2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態・解析診断学分野

ページ範囲:P.570 - P.575

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Point

●脱色操作前に余分な水分が残っていると,脱色液が薄められ脱色が増強されます.その結果,グラム陽性菌を陰性菌と見誤ることにつながります.

●染色された塗抹標本は,まずは弱拡大(100倍)で全視野を観察し,検体の質(感染症診断に適しているか否か)を観察することが必要です.

●所見を解釈していくうえで重要なことは,それぞれの検体からよく検出される原因菌ならびにその菌の特徴を念頭に置きながら観察することです.

●白血球の出現(多核か単核か)や繊毛上皮細胞など,菌だけでなくグラム(Gram)染色像の背景からも有益な情報を得ることが可能です.

参考文献

1)Geckler RW, Gremillion DH, McAllister CK, et al : Microscopic and bacteriological comparison of paired sputa and transtracheal aspirates. J Clin Microbiol 6:396-399,1977
2)小栗豊子(編):臨床微生物検査ハンドブック,第5版.三輪書店,2017
3)荒川創一:性感染症 診断・治療 ガイドライン2016.日性感染症会誌 27:86-90,2016
4)吉田麻衣子,森永芳智,栁原克紀:グラム染色.medicina 52:502-504,2015
5)湖城明子,村田葉子,伊藤久恵,他:改良グラム染色液neo-B&Mワコーと自動染色装置POLY STAINERを用いたグラム染色検査の実用性について.医療と検機器・試薬 25:455-465,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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