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医薬品開発におけるAI活用
著者: 岩田浩明1 奥野恭史1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科
ページ範囲:P.766 - P.769
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医薬品は,ターゲット探索,ヒット探索,ヒットtoリード,リード最適化,前臨床,臨床試験という多くの段階を経て研究・開発されているが,全体の成功率はわずか数%程度といわれ,非常に長い年月とコスト(開発期間10年以上,費用1,000億円以上)を要する.そのため,文献情報・オミクス情報からの標的タンパク質予測,タンパク質の立体構造予測,ヒット化合物のスクリーニング,リード化学構造の自動生成・合成経路予測,薬剤の体内への吸収・分布・代謝・排泄(absorption,distribution,metabolism,excretion:ADME)の予測,副作用予測,治験における意思決定支援など,さまざまな創薬AI技術が世界中で開発されている.これらのAIは,いずれも実際の実験や試験を行う前に予測を行うことで失敗確率を減らすことが主目的であり,実験や試験の手数を減らすことで開発の費用と期間を劇的に抑制できるものと期待されている.
医薬品は,ターゲット探索,ヒット探索,ヒットtoリード,リード最適化,前臨床,臨床試験という多くの段階を経て研究・開発されているが,全体の成功率はわずか数%程度といわれ,非常に長い年月とコスト(開発期間10年以上,費用1,000億円以上)を要する.そのため,文献情報・オミクス情報からの標的タンパク質予測,タンパク質の立体構造予測,ヒット化合物のスクリーニング,リード化学構造の自動生成・合成経路予測,薬剤の体内への吸収・分布・代謝・排泄(absorption,distribution,metabolism,excretion:ADME)の予測,副作用予測,治験における意思決定支援など,さまざまな創薬AI技術が世界中で開発されている.これらのAIは,いずれも実際の実験や試験を行う前に予測を行うことで失敗確率を減らすことが主目的であり,実験や試験の手数を減らすことで開発の費用と期間を劇的に抑制できるものと期待されている.
参考文献
1)奥野恭史(編):特集 医薬ジャーナル 54巻9号 特集 人工知能(AI)がもたらす創薬イノベーション.医薬ジャーナル社,pp65-117,2018
2)奥野恭史(編):月刊細胞 51巻7号 特集 創薬とIT.ニュー・サイエンス社,2019
3)小島諒介,奥野恭史:AIを用いた創薬の実際と今後の展望 INNERVISION 33:71-73,2018
4)Kojima R, Ishida S, Ohta M, et al : kGCN : a graph-based deep learning framework for chemical structures. J Cheminform 12:32,2020
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