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FOCUS
がん患者との面接(検査内容説明)のときに知っておいてもらいたいがん患者のこと
著者: 三浦里織1
所属機関: 1東京都立大学健康福祉学部看護学科
ページ範囲:P.870 - P.873
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「もうだめなのかしら……」,外来で医師から現在の治療継続が困難となったことを説明され,患者がぽつりとつぶやかれた.医師は,「がんの遺伝子を調べて,今後の治療を探しましょう」と説明し,患者は少しほっとしたものの困った表情で,ゲノム検査の説明を受けるため,専門外来を受診することとなった.
十数年前であれば抗がん剤の種類も少なく,一度治療が継続困難となると,患者の人生は永らえることが難しい状況であった.しかし現在は,がんの遺伝子解析が進み,治療継続が困難となった上記のような患者でも,治療の選択肢が増える可能性が生じてきた.2018年には「第3期がん対策推進基本計画」の分野別施策の1つとして,“がんゲノム医療”の整備や推進に取り組むことが閣議決定され,現在のがんゲノム医療が発展している.
がんゲノム医療においては,専門資格としての臨床細胞遺伝学認定士が患者の診断に関連して中心的な役割を担っている.そのなかで,患者の今後の治療に対して医師や看護師を含むさまざまな医療スタッフとコミュニケーションをとる場面がでてきたのではないかと考える.
また,医療者だけでなく,「検査を受けたい」と遺伝外来に訪れた患者にも接する機会が増えているのではないだろうか.そこで,本稿ではがん患者の置かれている立場や,その心理状況について紹介する.患者とコミュニケーションをとる際の手助けとしていただきたい.
「もうだめなのかしら……」,外来で医師から現在の治療継続が困難となったことを説明され,患者がぽつりとつぶやかれた.医師は,「がんの遺伝子を調べて,今後の治療を探しましょう」と説明し,患者は少しほっとしたものの困った表情で,ゲノム検査の説明を受けるため,専門外来を受診することとなった.
十数年前であれば抗がん剤の種類も少なく,一度治療が継続困難となると,患者の人生は永らえることが難しい状況であった.しかし現在は,がんの遺伝子解析が進み,治療継続が困難となった上記のような患者でも,治療の選択肢が増える可能性が生じてきた.2018年には「第3期がん対策推進基本計画」の分野別施策の1つとして,“がんゲノム医療”の整備や推進に取り組むことが閣議決定され,現在のがんゲノム医療が発展している.
がんゲノム医療においては,専門資格としての臨床細胞遺伝学認定士が患者の診断に関連して中心的な役割を担っている.そのなかで,患者の今後の治療に対して医師や看護師を含むさまざまな医療スタッフとコミュニケーションをとる場面がでてきたのではないかと考える.
また,医療者だけでなく,「検査を受けたい」と遺伝外来に訪れた患者にも接する機会が増えているのではないだろうか.そこで,本稿ではがん患者の置かれている立場や,その心理状況について紹介する.患者とコミュニケーションをとる際の手助けとしていただきたい.
参考文献
1)公益財団法人がん研究振興財団:がんの統計’19,2020
2)内富庸介,藤森麻衣子(編):続・がん医療におけるコミュニケーション・スキル—悪い知らせをどう伝えるか.医学書院,p11,2009
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