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文献詳細

雑誌文献

検査と技術49巻8号

2021年08月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

梅毒に関する検査結果についてどのように評価したらよいか教えてください.

著者: 村松崇1 木内英1

所属機関: 1東京医科大学病院臨床検査医学科

ページ範囲:P.916 - P.919

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はじめに

 梅毒は近年報告数が増加しており,治療後も防御免疫が成立せず何回も感染しうる病原体です.治療は確立しているものの,未治療の場合は深刻な合併症をもたらすため,適切に検査・治療を行う必要がある重要な感染症といえます.

 梅毒に関する検査としては血清反応を用いたものが主体です.病原体の検出が難しいため,抗体を検出する検査が主体となります.そのため,感染の時期や患者の免疫の状態により,いくつかのパターンを呈することがあります.治療終了後も陽性反応がみられることがあり,病歴などの情報をしっかり確認して解釈する必要があります.日本および米国でガイドライン1,2),総説3)が発表されており,本稿ではその情報を基に述べます.

参考文献

1)日本性感染症学会(編):性感染症 診断・治療ガイドライン2020.診断と治療社,2020
2)Workowski KA, Bolan GA et al : Sexually transmitted diseases treatment guidelines, 2015. MMWR Recomm Rep 64:1-137,2015
3)Hook EW 3rd : Syphilis. Lancet 389:1550-1557,2017
4)Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Discordant results from reverse sequence syphilis screening—five laboratories, United States, 2006-2010. MMWR Morb Mortal Wkly Rep 60:133-137,2011
5)Seña AC, Wolff M, Martin DH, et al : Predictors of serological cure and Serofast State after treatment in HIV-negative persons with early syphilis. Clin Infect Dis 53:1092-1099,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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