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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻1号

1977年01月発行

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

リウマチ因子検出のためのラテックス凝集反応

著者: 鈴田達男1 村沢清栄2 岩倉伸子2 菅原ひで2 清水彩子2 秋山恒子2 山崎優子2

所属機関: 1東京医大血清学 2東京医大血清学教室

ページ範囲:P.17 - P.20

文献概要

1.RAテストの歴史
 慢性関節リウマチ患者血清が抗体で感作された血球を凝集することは,1939年にWaalerによって見いだされ,Roseによって臨床検査法としての基礎が築かれた.これがRose反応であるが,この方法はヒト血清中に含まれる正常異種凝集素による妨害作用を完全に除外できない欠点があった.その後HellerらはRoseの方法に改良を加え,あらかじめ正常凝集素を吸収することにより,直接感作血球の凝集価でリウマチ因子を表現する方法を発表した.これがHellerの変法である.また彼はRA患者血清を希釈するのに生理食塩水の代わりに正常ヒト血清を用いたところ,凝集が著しく抑制されたことから,感作血球の凝集を起こさせる因子はウサギγグロブリンと反応するのみならず,ヒトのγグロブリンとも親和性を持っていることを,ヒトγグロブリン(IgG)を感作したタンニン酸処理血球の凝集反応によって明らかにした.
 この発見によって,これまで凝集促進因子と呼ばれていたものは,実はヒトγグロブリンに対する自己抗体であることが分かり,リウマチ因子(rheumatoid factor)と名づけられた.そうなると必ずしも抗体で感作しなくとも,不活性の粒子を担体として用いることもできることが分かり,ベントナイト凝集反応がBozicevichにより考案された.その後,SingerとPlotzは抗原の担体として合成樹脂粒子を用いることを思いつき,最初,ポリビニルトルエンラテックスを用いたが,後にポリスチレンラテックスのほうが優れていることを報告した.また実施方法も当初は試験管法であったが,後にスライド法が開発され,現在世界中で最も広く用いられるものとなった2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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