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技術講座 血液
LE細胞試験
著者: 新谷松知子1 渡辺清明1
所属機関: 1慶大病院中検
ページ範囲:P.749 - P.751
文献購入ページに移動 LE細胞は1948年Hargravesら1)により,骨髄標本中の特異な細胞として初めて報告されたもので,大きな均質な赤紫色の硝子様物質封入体を有する白血球を言う.LE細胞は人工的に作られる細胞であり,その作成機序は以下のとおりとされている.破壊された白血球より放出された核タンパクが,SLE患者のIgG抗体(LE因子)と反応して複合体(ヘマトキシリン体)を作る.このヘマトキシリン体を他の貪食能を有する白血球が貪食する(LE細胞).ヘマトキシリン体でなく,封入体にクロマチン構造を有するものをtart cellと呼び,これは定型的なLE細胞と厳密に区別する必要がある.
LE細胞試験はこのLE細胞をin vitroで観察しようとする検査であり,全身性紅斑性狼瘡(SLE)の診断に重要な検査の一つである.数種の方法があるが,ここでは普及度の高いZimmer-Hargravesの凝血法2)と,現在我々の検査室で使用しているZinkharn-Conley3)の振盪法の変法を取り上げることとする.
LE細胞試験はこのLE細胞をin vitroで観察しようとする検査であり,全身性紅斑性狼瘡(SLE)の診断に重要な検査の一つである.数種の方法があるが,ここでは普及度の高いZimmer-Hargravesの凝血法2)と,現在我々の検査室で使用しているZinkharn-Conley3)の振盪法の変法を取り上げることとする.
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