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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻10号

1977年10月発行

文献概要

技術講座 生理

基礎代謝

著者: 岩井康子1

所属機関: 1慈恵医大病院中検

ページ範囲:P.758 - P.761

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1.測定法原理
 基礎代謝(basal metabolism)とは,早朝空腹時,絶対安静状態(睡眠していない)でのエネルギー代謝をいう.基礎代謝は心臓,腎臓,脳,呼吸筋などの生命維持に必要な代謝の基本量を示している.また成長期や,消耗性疾患からの回復期には体成分の合成が行われているので,このためのエネルギー代謝も基礎代謝のなかに含まれて,普通の場合よりは高い値が得られる.測定法には,直接熱量測定法(direct calorimetry,生体の熱放散を直接測定する)と,間接熱量測定法(indirect calorimetry;生体の酸素消費量と炭酸ガス産生量一あるいは酸素消費量のみ一から代謝量を推定する)とがあるが,臨床検査としては,間接法が採用されている.
 さて,日常の食事の中で熱源となるのはタンパク,脂肪,糖質の三大栄養素で,これらすべて消化管から取り入れられる.また肺からは空気中の酸素を取り入れ,栄養素を酸化することによって得られる化学的エネルギーを利用して生命を維持している(表1),体内ではタンパクも燃焼しているので,その窒素分(N)はすべて尿中に排泄される.よって尿中の窒素量からタンパクの燃焼量が分かる.タンパクの窒素含有量は約16%なので,尿中窒素排泄量に6.25(100/16)をかければタンパクの燃焼量が分かる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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