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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻11号

1977年11月発行

文献概要

病気のはなし

肺アスペルギルス症

著者: 渡辺一功1

所属機関: 1順大・第3内科

ページ範囲:P.806 - P.812

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 肺真菌症は一般にはまれな疾患として,従来あまり関心がもたれていなかったが,近年この肺真菌症がいろいろな点で重要な位置を占めつつあることは周知のとおりである.以前より,特に肺アスペルギローム,肺放線菌症(肺アクチノミセス症)の報告はしばしばみられていたが,近年はこの諸種の真菌はむしろいわゆるopportunistic pathogen,または感作アレルゲンとしての重要性が問題となってきている.
 昨今の広域抗生剤,細胞毒性薬剤,免疫抑制剤,副腎皮質ホルモン剤の広範囲な使用ないし連用,肺結核治療後の遺残空洞,二次性嚢胞の発生,更に外科領域での肺手術,心臓手術,腎移植の晋及などはいずれも真菌症増加の原因となっているが,その発病の臨床的背景は決して一様でなく,その発生機序を一律に論ずることはできない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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