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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻11号

1977年11月発行

文献概要

技術講座 血清

α-フェトプロテイン

著者: 中山昇1

所属機関: 1国立がんセンター病院臨床検査部

ページ範囲:P.833 - P.836

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 α-フェトプロテイン(AFP)は,ヒト胎児正常血清成分の一つで,出生後は速やかに減少し,極めてわずかしか存在しない胎児タンパクである.このAFPがある種の癌,特に原発性肝癌患者血清中に高頻度に,かつ多量に出現する事実が,動物レベルではAbelev(1963)1),人間レベルではTatarinov(1964)2)らによって報告され,癌の免疫学的診断法という旧来の癌反応に代わって,科学的に裏づけされた新しい分野を開いた.その後,Kithier3),Uriel4)ら,また日本では平井5),遠藤6),平山7),向島8)らによって精力的な追試がなされ,AFPの検出が原発性肝癌の診断に役立つことを実証するとともに,今日の測定法の基礎を築いた.
 特に向島らは定量性のある一元免疫拡散法(SRID)を用いて,独自のプレートを開発し陽性率を上げるとともに,AFPの定量が原発性肝癌の病状経過,化学療法の効果判定,また手術後の予後判定にも役立つことを報告した9)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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