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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻2号

1977年02月発行

文献概要

測定法の基礎理論 なぜこうなるの?

ABO式血液型の基礎

著者: 村上省三1

所属機関: 1東京女子医大・輸血部

ページ範囲:P.97 - P.100

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1.ABO式血液型と型物質
 赤血球はABO式に関しては,発生の途上でまずH物質が認められる.H物質はH遺伝子の作用によって生成されるもので,H物質はO型血液に特異の型物質とされている.H物質はまたAやB型物質の基礎物質であり,これがそれぞれ特異の型物質への転換酵素の作用を受けると,その一部または大部分がAまたはB型物質となり,A型物質のみができたものがA型,B型物質のみができたものがB型,両方できたものがAB型,また前述のようにいずれもできずH物質のままで残ったものがO型となるわけである.ただしO型以外のものでもH物質は多かれ少なかれ多少は残存している.また型物質にも2種類ある.1つは血球を代表とする多くの臓器組織の細胞壁にみられるもので,他は血清を代表とし,唾液,胃液,精液,卵巣嚢腫液などにみられるものである.血球にあるものはアルコール溶性の糖脂質が主で,血清や唾液にあるものは水溶性の糖タンパク質である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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