icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻2号

1977年02月発行

文献概要

技術講座 血液

血液塗抹標本作成

著者: 中嶋孝之1

所属機関: 1慈恵医大病院中検

ページ範囲:P.112 - P.114

文献購入ページに移動
 末梢血液塗抹標本を光学顕微鏡で観察することは血液学の基本であり,また最も重要な臨床検査の一つである.1枚の標本から白血球,赤血球,血小板などすべての血球について仔細に観察し,その結果から形態の異常,数の異常など血液及び造血器の病態を推定しうる.
 1枚の標本からアウエル小体(Auer body)を持つ骨髄芽球が出現すれば直接,急性骨髄性白血病と診断されるなど,白血病や悪性骨髄腫など腫瘍細胞の発見など早期に疾病が診断され,治療できるのは貧血の場合と同じく1枚の標本と常に結びついていることを忘れてはならない.これにはきれいに正確に塗布された血液塗抹標本でなければ血液像の成績を大きく左右し,正しい診断はできないことになる.標本作成には技術者のテクニックは大切なことであるが,そのほか清浄なスライドガラス,引きガラス,乾燥の仕方なども大きな条件となるのでこれらを中心として述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?