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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻6号

1977年06月発行

文献概要

最近の検査技術

血清補体価の測定法

著者: 稲井真弥1 安田玲子2

所属機関: 1大阪府立成人病センター第7部 2石津製薬研究所

ページ範囲:P.449 - P.453

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 補体は,新鮮な血清中にある20種類以上のタンパクによって構成される大きな反応系である.補体系のタンパクは11種類の補体成分,補体成分に対する幾つかの不活化因子(inactivator),及びalternative pathwayに関与する数種の因子に大別される.
 補体は主として抗原抗体複合物によって活性化されるが,この時補体成分はC1,C4,C2,C3,C5〜C9の順序で,順次活性化され次々と酵素様活性を持つ複合体を形成しつつ反応が進み,赤血球のような細胞性抗原に対応する抗体が結合した抗原抗体複合物では,細胞溶解が起こる.この反応経路をclassical pathwayと呼ぶ.補体活性化には,この経路のほかにalternative pathwayと呼ばれる第2の反応経路のあることが分かっている.この経路の活性化には,IF(initiating factor),properdin,D因子,B因子(C3 proactivator)などの諸因子が関与する.この経路を経て補体を活性化する物質は,コブラ毒因子,Zymosanのような微生物の細胞壁,inulinのような多糖類1),グラム陰性菌の内毒素などが知られている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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