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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻7号

1977年07月発行

文献概要

おかしな検査データ

おかしな検査データ4月号出題の答

著者: 中山年正1

所属機関: 1虎の門病院生化学科

ページ範囲:P.517 - P.517

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 血清中に存在する還元性物質ではビタミンCが最も高濃度であり(約1mg/dl),これは還元法で尿酸約1.3mg/dlに相当する発色をし正誤差となる.病的血清では,このほかグルタチオンのようなSH化合物,ビリルビン,ポリフェノール,DOPA,ピリン系薬剤,抗生物質などの還元物質が同様な妨害をする.人工透析患者や尿中には更に様々な妨害成分が存在し,酸素法(ウリカーゼ・ペルオキシダーゼ法)では主に負の,また還元法では正誤差をもたらす.ビタミンCの妨害は不完全な方法であるが,除タンパク上清に炭酸ナトリゥムを加えアルカリ性として,室温に約20〜30分放置することにより分解する方法が使われる.ペルオキシダーゼによる酵素法ではコレステロールと同様適当な回避法がない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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