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文献概要
文豪と死
樋口 一葉
著者: 長谷川泉1
所属機関: 1医学書院
ページ範囲:P.552 - P.552
文献購入ページに移動その意味で,女性がほんとうに解放されたのは終戦後のことである.一葉は,そのような日本の悲しい封建的女性の姿を文学作品に定着した.一葉の前には「藪の鶯」という作品を書いて認められた三宅花圃のような女流作家がいたが,女流作家そのものが珍しい時代であった.「源氏物語」を書いた紫式部のような優れた女流作家を日本の文学史は持っているのであるが,それは平安朝時代の特殊な時代のことであって,その後,女流作家はふるわなかったのである.
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