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文献詳細

雑誌文献

検査と技術5巻8号

1977年08月発行

文献概要

マスターしよう基本操作

臓器及び組織の固定法

著者: 杉山繁雄1 垣内洋1 高橋清之1

所属機関: 1京大病院中検

ページ範囲:P.621 - P.624

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 臓器や組織の固定は日常の病理検査業務として広く行われている作業の一つである.固定の目的は細胞や組織の融解,腐敗などによる死後変化を防ぐとともに,それらの主成分を不溶化にし,組織並びに細胞内構造をできるだけ正常に保つことである,同時に染色性や種々の組織化学的反応をより高めることも固定の目的の一つである.従って固定の効果いかんによっては包埋,薄切,染色に多大の影響がもたらされ,最終的な診断をも大きく左右する重要な要因となりうる.
 固定を行う際には一般的には次の諸点に十分注意する必要がある.(1)検体は採取後できるだけ早く固定液に浸漬する.(2)固定液の量は組織の大きさの最低10倍量は必要である.(3)固定液は常に固定作用を十分有する新しいものを用い,一度使用したものは使い捨てる.(4)固定には一般的にホルマリン液が使用されるが,目的に応じ固定液を選ばなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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