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測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
超音波—診断に応用されるしくみ・1
著者: 尾本良三1
所属機関: 1三井記念病院外科,手術救急部
ページ範囲:P.656 - P.660
文献購入ページに移動1.超音波の診断的応用の歩み
超音波技術ははじめは水中ソーナーとして航海技術に利用され,戦時中には探潜機として大いに発達し,その後は平和産業として魚群探知機の普及をもたらした.一方,超音波の診断への応用はもちろん第2次大戦後であるが,それは超音波による金属の非破壊検査法(金属探傷法)の確立に引き続いて行われてきたということができよう.超音波の診断への応用はいろいろな点で,この非破壊検査法の技術をそっくり借用することによって緒についたものである.
診断的応用の試みは,1947年のK.Dussikの超音波透視法による頭部映像がそのはじめとされている葉その後1950年代に,内外において各種の診断的応用が研究され急速な進歩を遂げた.1961年には我が国においても超音波医学研究会が発足し,その後これは日本超音波医学会と名称は変わったが現在は会員1,600名を有し,年2回の研究発表会を行っている.超音波診断法は現在なお進歩の著しい領域であり,装置の改良,開発も強力に続けられている.
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