文献詳細
文献概要
臨床医からの質問に答える
イサツキシマブ投与前になぜ輸血部門に連絡をする必要があるのでしょうか.
著者: 井手大輔1
所属機関: 1近畿大学病院輸血・細胞治療センター
ページ範囲:P.68 - P.71
文献購入ページに移動イサツキシマブは多発性骨髄腫の治療に使われる分子標的薬で,抗CD38抗体が骨髄腫細胞上に発現するCD38に結合し効果を発揮します1).その他に同様の薬としてダラツムマブがあります2).これらの薬は抗CD38治療薬と呼ばれます.今回のテーマ「イサツキシマブ投与前になぜ輸血部門に連絡をする必要があるのでしょうか」に対する回答を最初に述べます.それは“投与された抗CD38治療薬が輸血検査に影響を与えるから”です.さらに投薬前後で輸血検査に特別な対応が必要となります.これらはあくまで投薬情報が輸血検査部門に共有されている場合であって,投薬情報が輸血検査部門に共有されていない場合は,輸血検査が誤った方向に進み,結果の判定ができない,輸血が準備できない状況になる可能性も考えられます.今回は,抗CD38治療薬と輸血検査の関係を以下の3つに分けて解説します.
・なぜ輸血検査に影響を与えるのか
・投与前後の輸血検査
・投薬情報を共有する重要性
参考文献
掲載誌情報