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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻10号

2022年10月発行

文献概要

FOCUS

小児の心臓超音波検査(心エコー)

著者: 槇田喜之1

所属機関: 1北里大学病院臨床検査部超音波検査室

ページ範囲:P.1146 - P.1151

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はじめに

 小児における心臓超音波検査(心エコー)の対象は,心房中隔欠損症(atrial septal defect:ASD)や心室中隔欠損症(ventricular septal defect:VSD)などに代表される先天性心疾患の診断と評価,川崎病(Kawasaki disease:KD)に代表される後天性心疾患の診断と評価である.先天性心疾患は,軽症の疾患まで含めると新生児の約1%に発生するといわれ,厚生労働省が公表した人口動態統計速報(令和3年12月分)1)での2021年に生まれた子どもは約84万人であり,わが国では年間約8,400人の先天性心疾患をもつ患児が生まれている計算となる.また,病型別頻度では,VSD,ASDの順で多く,この左右短絡疾患で全体の約40%を占める2).一方,小児期発症の後天性心疾患のうち,最も多いのはKDである.本稿では,先天性心疾患のASDとVSD,後天性心疾患のKDについて述べる.

参考文献

1)厚生労働省:人口動態統計速報(令和3年12月分)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/s2021/12.html)(2022年8月5日アクセス)
2)豊野学朋:左右短絡先天性疾患の正しいエコー診断.超音波医 45:481-490,2018
3)Van Praagh R:The segmental approach to diagnosis in congenital heart disease.Birth Defects.Original Art. Ser. 8:4-23,1972
4)里見元義:先天性心疾患診断のための心断層エコー図.東女医大誌 50:1-22,1980
5)日本循環器学会,日本移植学会,日本胸部外科学会,他:先天性心疾患並びに小児期心疾患の診断検査と薬物療法ガイドライン(2018年改訂版)(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2018_Yasukochi.pdf)(2022年6月13日アクセス)
6)小板橋俊美:心室中隔欠損のフォローアップの心エコーのコツ.心エコー 22:908-917,2021
7)Franklin RCG, Béland MJ, Colan SD, et al : Nomenclature for congenital and paediatric cardiac disease : the International Paediatric and Congenital Cardiac Code (IPCCC) and the Eleventh Iteration of the International Classification of Diseases (ICD-11). Cardiol Young 27:1872-1938,2017
8)宮田功一,三浦大:冠動脈エコーと川崎病.小児診療 80:1582-1588,2017
9)日本川崎病研究センター川崎病全国調査担当グループ:第26回川崎病全国調査成績(2021年9月)(https://www.jichi.ac.jp/dph/wp-dph/wp-content/uploads/2021/10/c3f41fb53f1d28ec45f82150d43089fb.pdf)(2022年6月13日アクセス)
10)日本循環器学会,日本心臓血管外科学会,日本川崎病学会,他:2020年改訂版 川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Fukazawa_Kobayashi.pdf)(2022年6月13日アクセス)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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