検査と技術50巻11号

2022年11月発行

技術講座 微生物

微生物検査において病原体の取り扱いに必要なバイオセーフティ

著者： 三澤成毅¹

所属機関： ¹順天堂大学医療科学部臨床検査学科

ページ範囲：P.1240 - P.1249

Point

●微生物を安全に取り扱うには，微生物の感染性レベルに合わせた感染防御対策であるバイオセーフティが必須となる．

●感染性によるリスク群（1〜4群）と，感染症法に基づく特定病原体等（一〜四種病原体等）の分類を勉強し，ヒトに感染症を起こす微生物について知ることが重要である．

●国内の微生物検査室は，四種病原体等を取り扱うことを前提に，検査室の設備基準に合わせてレイアウトする．

●検査室内感染を防ぐには，設備とともに感染防御に対する知識と技術を，教育と訓練によって習得する．

参考文献

1）バイオメディカルサイエンス研究会：実験室バイオセーフティ指針（WHO第3版）．pp1-3，2004（https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42981/9241546506_jpn.pdf）（2022年8月3日アクセス）

2）国立感染症研究所バイオリスク管理委員会（編）：国立感症研究所病原体等安全管理規程．pp13-17，2020（https://www.niid.go.jp/niid/images/biosafe/kanrikitei3/Kanrikitei3_20200401.pdf）（2022年8月3日アクセス）

3）厚生労働省健康局結核感染症課：病原体等の名称と疾患名称の対照表．感染症法に基づく特定病原体等の管理規制について．（https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000701377.pdf）（2022年8月3日アクセス）

4）厚生労働省健康局結核感染症課：施設の位置，構造及び設備の技術上の基準一覧（法第56条の24関係）．感染症法に基づく特定病原体等の管理規制について．（https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/1_04_2.pdf）（2022年8月3日アクセス）

5）厚生労働省健康局結核感染症課：病原体等の保管等の技術上の基準一覧（法第56条の25関係）．感染症法に基づく特定病原体等の管理規制について．（https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/1_09_1.pdf）（2022年8月3日アクセス）

6）厚生労働省健康局結核感染症課：四種病原体等取扱施設の例示．感染症法に基づく特定病原体等の管理規制について．（https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/1_07.pdf）（2022年8月3日アクセス）

7）国立感染症研究所：国立感染症研究所病原体等安全管理規程　別冊2「取扱様式集」（平成22年6月）（https://www.niid.go.jp/niid/images/biosafe/kanrikitei3/Kanrikitei3_1006_2.pdf）（2022年8月3日アクセス）

8）小栗豊子，三澤成毅：感染制御の基本と臨床微生物検査におけるバイオセーフティ．小栗豊子（編）：臨床微生物検査ハンドブック　第5版．三輪書店，pp1-22，2017

9）三澤成毅：臨床検査室のバイオセーフティ．JBSA Newsletter　6：5-10，2016

10）三澤成毅：微生物検査の基本的手技．松本哲哉（編）：最新臨床検査学講座　臨床微生物学．医歯薬出版，pp318-322，2017

11）バイオメディカルサイエンス研究会：実験室バイオセーフティ指針（WHO第3版）．pp51-60，2004（https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/42981/9241546506_jpn.pdf）（2022年8月3日アクセス）

12）World Health Organization : Section 3 Core requirements. Laboratory biosafety manual, 4th ed. WHO, pp31-47, 2020（https://www.who.int/publications/i/item/9789240011311）（2022年8月3日アクセス）