検査と技術50巻11号

2022年11月発行

技術講座 生理

シリーズ　エコー検査における緊急報告・2

血管エコー

著者： 湯浅麻美¹ 平田有紀奈¹

所属機関： ¹徳島大学病院超音波センター

ページ範囲：P.1256 - P.1260

文献概要

Point

●画像所見だけでなく，症状や病歴に応じて緊急度を判断する．

●緊急所見，準緊急所見では“プラスα”で得られる所見についても，評価することを考慮する．

●緊急所見は診断の遅れが生命の危機に直結する病態であり，迅速性を最優先し，不必要な時間をかけないことが重要である．

●エコー検査を始めて間がないうちは，医師に報告する前に上級技師に相談する．

参考文献

1）日本超音波医学会，超音波検査時の「直ちに報告すべき異常値/異常所見」検討小委員会：超音波検査の「パニック所見：緊急に対応すべき異常所見」（提出案）（https://www.jsum.or.jp/committee/diagnostic/pdf/20210620.pdf）（2022年8月4日アクセス）

2）日本循環器学会，日本心臓血管外科学会，日本胸部外科学会，他：2020年改訂版　大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン（https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/07/JCS2020_Ogino.pdf）（2022年8月4日アクセス）

3）山口敏之，横川雅康，鈴木衛，他：大腿動脈穿刺後に生じた仮性動脈瘤手術症例の検討．日血管外会誌　3：333-338，1994

4）Kimura K, Yasaka M, Minematsu K, et al : Oscillating thromboemboli within the extracranial internal carotid artery demonstrated by ultrasonography in patients with acute cardioembolic stroke. Ultrasound Med Biol　24：1121-1124，1998

5）岡村優樹，梅橋功征，宮﨑いずみ，他：静脈血栓塞栓症患者における血栓検出部位と性状およびD-dimer値の関連．医学検査 69：539-545，2020