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文献詳細

雑誌文献

検査と技術50巻11号

2022年11月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

PCRやLAMP法では,核酸抽出は不要ですか?

著者: 南木融1

所属機関: 1筑波大学附属病院検査部

ページ範囲:P.1276 - P.1280

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はじめに

 現在,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染を調べる遺伝子検査としてはPCR法とLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法を用いた検査などがあります.遺伝子検査のなかで最も汎用されているPCR検査は,ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)を利用することで,ウイルス由来の特異的な遺伝子配列領域を100〜1,000万倍以上に増幅することができる極めて高感度な分析手法です.

 PCR法を用いたSARS-CoV-2の検出には大きく分けると2種類の手法があります.1つは国立感染症研究所が作成した『病原体検出マニュアル2019-nCoV Ver.2.9.1』1)に基づく核酸精製とリアルタイムPCR法(以下,感染研法という)であり,もう1つはRNAの抽出精製が不要で,変性した検体から直接ウイルスRNAの逆転写とリアルタイムPCRを同時に行うことができる方法(直接PCR法)です.本稿では感染研法と直接PCR法についてのメリットとデメリットや検査を正しく行うためのポイントについて解説していきます.

参考文献

1)国立感染症研究所:病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.9.1 令和2年3月19日(https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV20200319.pdf)(2022年9月11日アクセス)
2)糸賀栄:核酸抽出.日本臨床衛生検査技師会(監):JAMT技術教本シリーズ 遺伝子・染色体検査技術教本.丸善出版,pp168-172,2019
3)川上大輔:新型コロナウイルスのPCR検査 原理からピットホールとその対策まで.ぶんせき 2020(10):359-365,2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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